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御祭神

重要文化財に指定されている本殿には、下社・中社・上社
ならびに摂社である田中社・四大神の五社が一宇相殿に奉祀されています。
これら五柱の御祭神名は、稲荷大神様の広大なる御神徳の神名化されたものです。

本殿

saijin
宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ) 下社《中央座に鎮まります》
佐田彦大神(さたひこのおおかみ) 中社《北座に鎮まります》
大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ) 上社《南座に鎮まります》
田中大神(たなかのおおかみ) 田中社(下社摂社)《最北座に鎮まります》
四大神(しのおおかみ) 四大神(中社摂社)《最南座に鎮まります》

「本殿」の場所は、境内マップでご確認していただけます。

御神号

山城国風土記の逸文には、イナリを「伊奈利」と記しています。イナリとは、イネナリ・イネニナルのつづまったもので、人間生活の根源であった稲によって、天地の霊徳を象徴した古語とされています。「伊奈利」を稲荷と書くにいたった最初のものは、類聚国史の淳和天皇の天長4年(827)正月辛巳の詔ですが、扶桑略記の和銅6年(713)5月甲子の條に《諸国郡郷名著好字、又令作風土記》とあることよりすれば、風土記撰進のときには、すでに「稲荷」なる“好字”が用いられていて、風土記に「伊奈利」とあるのは、その原史料にあった古い用字法が活用されたものと思われます。

御神徳

社記に、当社は《衣食住ノ太祖ニシテ萬民豊楽ノ神霊ナリ》(稲荷谷響記)と、また《上ハ天子ヨリ下ハ萬民ニイタル幸福豊楽ノ神明ナリ》(十五箇條口授伝之和解)とあります。平安の昔から、稲荷山が民衆信仰の“お山”であったことは、女流日記文学の第一にあげられる「蜻蛉日記」、あるいは清少納言の「枕草子」、また和泉式部の筆によってしのぶことができます。今日では、商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神として、あまねく信仰をあつめ、そのご神威は日本の津々浦々はもとより遠く海外にまで及んでいます。