伏見稲荷大社では四季を通じて祭礼、神事を執り行っています。
このページでは主な行事をとりあげてご紹介します。
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新年を寿ぎ国家の安泰と一年の無事平穏を祈るお祭で、本殿での祭典が終わると宮司以下の神職は境内にある各摂末社を巡拝、続いて社務所正庁の間で新年拝賀式を行います。
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1月5日
「本殿の儀」 12:00〜/本殿
「山上の儀」 13:30〜/御膳谷祈祷殿
当日の早朝、稲荷山七神蹟の外玉垣に注連縄を張る注連張神事が行われます。
その昔、御膳谷には御饗殿と御竈殿があって、お祭りには御饌石と呼ばれる霊石の上に神饌をお供えしたという故事に基づいて、毎年正月5日にこのお祭りが行われます。
本殿祭のあと、宮司以下祭員・参列者は揃ってお山御膳谷に向かい、斎土器と呼ばれるかわらけに中汲酒を盛ったものを御饌石の上に供えて、五穀豊穣と家業繁栄を祈る祭りが行われます。
引き続いてその場で直会をし、一同「ひかげのかずら」を首にかけて七神蹟を巡拝します。
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いわゆる御弓始神事で、年頭にあたって邪気や陰気を祓い陽気を迎える神事です。本殿の祭典の後、神苑斎場で副斎主が神矢をもって天地四方を射、つづいて神職二名が真矢で大的を射ます。この時の矢の当り方が今年の五穀の豊凶を占うものといわれています。
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成人の日に行われるこの成年祭は、崇敬者の中の成人に達した男女を招いて、今後の人生に大神のご加護がありますようにと祈られます。祭典の後宮司より成人を迎えた方々に祝いの言葉が述べられます。
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冬と春との季節の分かれ目に行われるこの節分祭には、除疫・招福が祈願されます。当日祭典終了後・11:30・13:00の3回、外拝殿において福男福女及び福娘による豆まき行事が行われます。
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稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった和銅4年2月の初午の日をしのび、大神の広大無辺なるご神威を仰ぎ奉るお祭で、2日前の辰の日に稲荷山の杉と椎の枝で作った“青山飾り”をご本殿以下摂末社に飾りこの日を迎える習わしがあります。
初午詣は、福詣とも呼ばれ、前日の巳の日から、ご社頭は参詣者であふれ、京洛初春第一の祭事とされています。
また社頭で参拝者に授与されている「しるしの杉」は商売繁昌・家内安全の御符(しるし)として、古くから拝受する風習が盛んです。
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外拝殿において、池坊華道会による献花の儀が行われます。
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古儀茶道薮内流奉仕による献茶の儀が行われます。
また茶室瑞芳軒において茶席が設けられます。
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衣食住の大祖であり、あらゆる産業の守護神である稲荷大神の、日頃のご神恩に感謝し産業が益々発展・興隆するよう祈願するお祭りです。この祭典には、全国産業界の優秀な製品等が大前に奉納され、大神様はもとより一般参拝者の方々の目もなごませます。
また、社頭では当社神楽女による「桜花舞」が奏されます。
桜花舞歌
1、宮びとの花をてごとに神まつる
とききにけらし春のみてぐら (大山為起)
2、雲やたつ霞やまがふ山桜
花よりほかも花とみゆらむ (藤原 俊成)
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稲種を苗代田におろすにあたり、大神にその充実した生育を祈願するお祭です。
本殿祭の後、境内神田において籾種を撒く神事が行われます。
水口播種祭歌
阿戸(あと)まつり 阿戸まつり
阿奈(あな)しづけさや 斎種(ゆだね)をおろす みずのおと
御代(みよ)平穏(おだい) 御代平穏 天(あめ)の下(した)平穏(おだい)
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稲荷大神が年に一度氏子区域をご巡幸になり、広くご神徳を垂れたまう大社最重要の祭儀です。
11:00より宮司以下の祭員および奉仕者の全員が冠・烏帽子に杉の小枝を挿した後神幸祭が斎行され、五基のお神輿にご神璽が奉遷されます。
14:00神輿の前後に供奉・奉賛列を整え本社を出発、氏子区域を巡幸してJR京都駅南西方、西九条にあるお旅所へ向かい、奉安殿に納められます。
5月3日の還幸までの間、お旅所は連日氏子の人々で賑わいます。
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稲荷祭期間中に神輿五基が各氏子区内を巡幸します。
稲荷祭の奉仕には、昔から宮本組・川西崇敬会および五ヶ郷と称する氏子区域があります。これらの氏子区域は神幸・還幸の行列奉仕を担当し、神輿は五ヶ郷の担当に属しますが、その五基は、不動堂(田中社)・東九条(上社)塩小路・中堂寺の交代(下社)・西九条(中社)・八条(四之大神)の担当となります。
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この祭りの起源は極めて古く、諸説ある中に、すでに長久元年(1040)に行われた事が「春記」にみえ、「中右記」をはじめ諸記録によっても平安中期には盛んに行われていたことが知られます。
9:00から本殿内陣の各御簾五条に、葵5個を結んだ桂の枝3本づつを懸ける葵桂奉懸の儀がおこなわれます。
14:00 美しく飾られた30数台の供奉列奉賛列を従えた五基の神輿は、途中東寺の僧侶による「神供」を受けた後約2時間京都市内の氏子区域を巡行した後ご本社に到着します。引き続き神輿よりご神璽が本殿へ奉遷され、無事の還御を称える還幸祭が斎行されます。
翌4日には、稲荷祭後宮祭(あとみやさい)が10:00より本殿において斎行され、約2週間に及ぶ稲荷祭は無事修了するのです。
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ご神前に日々供饌されるご料米の稲苗を神田へ植えるお祭で、本殿祭の後祭場は神田に移され、王朝をしのばせる典雅な「御田舞」が奏される中を“早乙女”らによって田植がすすめられます。
お田舞歌
1、
やましろや稲荷の神の御田祭り
いざもろともに往きて舞はばや
2、
八束穂の稲荷の御田におり立ちて
まひつかなでつ植うるさおとめ
3、
稲荷山かげをひたせる斎田(いわいだ)に
八束(やつか)垂穂(たりほ)のあきの色みゆ。
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古くより「夏越の祓」と称せられるもので、元旦以来知らず知らずのうちに犯しているかもしれない罪・穢れを祓い清めて形代を河海に流す行事です。
式の後、宮司以下の神職及び参列者一同は茅の輪をくぐります。
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「宵宮祭」 7月本宮祭の前日 18:00〜
「本宮祭」 7月土用入後初の日曜又は祝日 9:00〜
稲荷大神のご分霊を祀る全国の崇敬者が総本宮に参拝し、日々の御神恩に感謝する大祭で、宵宮には、稲荷山をはじめ境内の全域に散在の石灯篭・数千に及ぶ献納提灯に灯を点ずる万灯神事が行われます。
また両日に亘り外拝殿及びその周辺で日本画家などの奉納による行灯画(あんどんが)約400点が展観され、様々な神賑行事が賑々しく奉納されます。
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10月スポーツの日の前々日 第1日 13:00〜
10月スポーツの日の前日 第2日 13:00〜
稲荷大社のご神徳を広く宣揚し、また大社の事業を翼賛する信仰団体である講務本庁の講員が、ご神恩に奉賽するとともに、家内安全・生業繁栄を祈願するお祭で、全国の講員が参拝、境内では盛りだくさんの神賑行事が繰り広げられます。
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裏千家家元の奉仕により献茶の儀がとりおこなわれ、社務所をはじめお茶屋などに茶席が設けられ、終日境内は拝服のご婦人たちで賑わいます。
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4月の水口播種祭、6月の田植祭と大神のみたまのふゆによって成長し稔った稲を刈り取るお祭りです。刈り取られた稲は、11月23日の新嘗祭に大神にお供えされ、稲藁は11月に行われる火焚祭に焚き上げられます。
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外拝殿において、旧嵯峨御所大覚寺門跡・嵯峨御流華道総司所の奉仕による献花の儀が行われます。
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秋の収穫の後に、五穀の豊饒をはじめ万物を育てたもう稲荷大神のご神恩に感謝する祭典で、古来当社の伝統ある行事として広く知られています。
本殿の祭典にひきつづき、神苑祭場において、全国崇敬者から奉納された十数万本の火焚串を焚きあげ、宮司以下神職をはじめ参列者一同、大祓詞を奉唱して、罪障消滅、万福招来を祈ります。
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火焚祭の夕刻18:00から、その昔、朝廷からの奉納が慣例になっていた「御神楽」が大前に奉奏されます。
この御神楽は、古の鎮魂祭にもとづく神事で、一時中絶されていましたが、孝明天皇の文久三年に、禁裏御所の特別の思召しで再興され、現在では大社の職員によって奉仕されています。庭燎の薄明かりの中で、本歌・末歌・和琴・笛・ひちりきが次々と奏でられ、早韓神が歌われるなか、荘重古雅な「人長舞」が舞われます。
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抜穂祭で刈取られた新穀を大神にそなえ今年の豊作を感謝するとともに、国の平安を祈念するお祭です。
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一年を春と秋、前半と後半に分けて考える我が民俗行事にあって最も顕著なかたちで残っているのがこの大祓です。
6月30日の「水無月の大祓」に対し「師走の大祓」と称されるもので、この後半年に犯したかもしれぬ罪穢れを祓い形代を河海に流して清々しく新年をむかえようとする行事です。
これに引き続き稲荷大神のご守護により無事一年間を過ごし得たことに感謝する除夜祭が執り行われ、やがて年が改まります。